ストーリー

ダ・カーポの生い立ち

「たい焼きCafe ダ・カーポ」は、五反田の地にて創業。

私(現オーナー:室田)がダ・カーポと先代オーナーの由美さんに出会ったのは2015年の初めのことでした。

これまで数多くの人々の出会いや別れの物語があり、想いが詰まったダ・カーポ。

ここでは先代から引き継いできたダ・カーポの歴史について書かせて頂きます。

 

ー01 レコード店としての始まりー

たい焼き店として有名になっているダ・カーポは、実は先代オーナーの由美さんご夫婦がレコード店としてオープンしたのが始まり。

音楽プロデュースとイベント企画の会社をされてきたご夫婦が、セカンドライフとして大量に保有していたCDやレコードの販売をはじめました。

実は由美さんは、日本女性初のフリー音楽プロデューサーとして、数々の有名番組やCMの曲をプロデュースされた方なのです。

お店をやるために選んだ地は、ご主人の地元の東五反田。

当初は現在の店舗のすぐ近くで営業していたそうですが、数年で今の場所に引っ越しました。

倉庫として利用されていた場所を、ご主人がほぼ一人で全面改装し、レコード&雑貨店として再スタート。

今も当時の看板を使用しているので、「CDLP 輸入雑貨 ダ・カーポ」と書いてあります。

 

ー02 ご主人の病、リハビリとして始めたたい焼きー

レコード&雑貨店として順調に進んでいたある日、ご主人が突然の難病に倒れ、長期のリハビリが必要になってしまったそうです。

元気を無くし、落ち込んでしまったご主人を励まそうと、由美さんが冗談半分で、「何か新しいことしよう!二人が好きなたい焼きでも焼いてみる?」と言ったところ、ご主人は目を輝かせて「やろう!」と飛び起きて、すぐさま計画を立て始めたそうです。

まさか本気にすると思っていなかった由美さんですが、元気になっていくご主人を見て、「リハビリも兼ねてるんだから、私は一切手を出さないよ。それでもいいなら」と約束して、たい焼きも販売する不思議なレコード店が生まれました。

 

ー03 愛されたこだわりのたい焼きー

東京中のたい焼きを食べ歩き、全てのあんこ屋さんからサンプルを取り寄せて研究し、生地のミックス粉も特注オーダーで改良を重ねて生まれたのが、しっぽに秘密のある美味しいたい焼き。

そして、甘い物が苦手な方にもたい焼きを楽しんでもらいたいとご主人が考案したのが、ベーコンエッグの入った「鯛玉」です。

「レコードと雑貨屋なのにたい焼きもある、しかもこだわり厳選素材だから美味しくて、しっぽに楽しい秘密まである!」

最盛期は1〜2時間待ちは当たり前という盛況ぶりだったそうです。

そして、ファンの方が繋いだご縁で、五反田にある有名カレー屋とのコラボ商品、スパイシーな「鯛うどん」が生まれ、こちらもメディアによく登場する看板商品になりました。

毎日毎日、数百個のたい焼きを焼き続けたご主人は生き生きとされていたそう。

どんなに忙しくても由美さんとの約束だからと、決して鉄板の前には立たせず、由美さんも心配しながらも接客以外は手出ししなかったそうです。

 

ー04 突然の別れ、そして決意ー

たい焼きを始めて1年半後すっかり元気になったと思われていた矢先にご主人が倒れ、看病のためにお店はしばらく休業。

しかし、献身的な看病も及ばず、ご主人は帰らぬ人になってしまいました。

この先どうしようと途方に暮れる由美さん。

一人で切り盛りするのは大変だし、たい焼きは焼いたことも無いからもう辞めようと思ったそうです。

ところが、ひさしぶりにお店に行くと

休業を知らせる張り紙に、再開を待ち望むお客さん達からのたくさんの励ましのメッセージが。

それを見た由美さんは「こんなにも愛されるお父さんのたい焼きを、ここで終わらせてはいけない!」と一念発起し、営業を再開しました。

焼き台の上にはご主人と由美さんが並んだ写真が。

「しっかりしろよって、お父さんに見られてる気がして」と、試行錯誤を重ね、いつしかたい焼きのダ・カーポとして益々の人気店になり、2009年と2011年に食べログのベストスイーツを受賞するまでになりました。

 

ー05 2015年、ダ・カーポのファン室田の出会いー

そして2015年。

現在のオーナーを務める私、室田が引っ越し先の内覧日に突然のにわか雨に降られ、雨宿りでたまたま入ったのが「ダ・カーポ」でした。

雑貨や輸入文具などが積まれ、CDとレコードが沢山並ぶ不思議なお店。

そして、びっくりするくらい美味しいたい焼きと鯛玉。

小柄なのにチャキチャキしてパワフルな由美さんの魅力。

 

毎日のお散歩コースでたい焼きの耳の切り落としを食べにくる常連犬2匹。

近所の子供に「ちゃんと挨拶しなさい!」と叱る由美さんと、それに素直に「ごめんなさい、ありがとうございます」を言う子供達。

東京の店とは思えないアットホームな空間に、日を追う毎にダ・カーポのファンとなり、常連客となりました。

 

ある日、いつものようにたい焼きを食べていると、由美さんから、「70歳を過ぎて、フルタイムがしんどくなってきた。辞めようかとも考えたが、お父さんのたい焼きを無くしたくはない。良かったらお店を継いでくれないか」と言って頂きました。

突然の申し出にびっくりしましたが、人のご縁を大切にして沢山のファンに愛されているお店を残したいという気持ちになり、引き受けさせて頂きました。

 

それまでは、2009年に鍼灸院を独立開業して以来、師と仰ぐ嶋村吉洋さんに学びながら数店舗の立ち上げと経営をして参りましたが、飲食店は初めての経験でした。

医療の道を志す前は、料理人やパティシエの道も考えたことがあり、ずっと料理は趣味として続けていましたが、まさか自分がたい焼き屋をやるなんて思ってもみませんでした。

のちに由美さんから「以前にも大手から買収の話やフランチャイズ化の話も出ていたけど、全部断ってきた。でもこの先どうしようかと考えてる時に、あなただったらお願いできるかなと思ったのよ。これでも人を見る目に自信はあるつもり」と言って頂きました。

若輩者の私にはありがたいやら恐縮するやらで複雑でしたが、きっと嶋村吉洋さんに学んで実践して来たことが、昭和から平成の時代の音楽業界を第一線で引っ張ってきた由美さんに伝わったのかなと思っております。

 

ー06 2018年、現在へー

そんな経緯を経て、2016年8月から【たい焼きCafe ダ・カーポ】としてリニューアル。

以前の雰囲気を残しつつ、雑貨があった場所はカフェスペースとして改装し、店内で音楽を聞きながらご飲食を楽しんで頂けるようにいたしました。

たい焼きには緑茶や抹茶というイメージですが、コーヒーとの相性もバツグンですよ。

ご主人から由美さんに。由美さんから私に。

3代目オーナーにダ・カーポを引き継いだ後も、由美さんには「看板娘」としてたまにお店に出ていただいてます。

 

伝統の味を継承しつつ、店長とも協力しながら皆様のご要望をお聞きし、鯛クリームやオリジナルドリンクをメニュー化し、夜はレンタルスペースとして貸切にも対応させて頂きました。

 

これからも、永く皆様に愛されるお店として成長できるよう、精進して参ります。

投稿日:2018年8月15日 更新日:

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